泌尿器がんは、泌尿器系に発生する悪性腫瘍です。泌尿器がんは早期に発見し、適切な治療を受けることで、完治を目指せるものもあります。初期の自覚症状がほとんどないものが多いため、少しでも疑わしい症状がある場合は、早めに受診することが重要です。

泌尿器癌
泌尿器癌
泌尿器がんは、泌尿器系に発生する悪性腫瘍です。泌尿器がんは早期に発見し、適切な治療を受けることで、完治を目指せるものもあります。初期の自覚症状がほとんどないものが多いため、少しでも疑わしい症状がある場合は、早めに受診することが重要です。
前立腺がんは泌尿器系のがんの中で、近年最も増加傾向にあります。かなり進行するまで症状が無いケースがほとんどで、検診がとても重要になります。検診でPSA(前立腺特異抗原)という腫瘍マーカーを測定するようになってからは、早期診断も可能になってきました。早期発見、治療を行えば死亡率は非常に低いがんです。50歳を超えたら年に1度はPSA検診をお勧めします。
腎臓でできた尿は腎盂に集められ尿管を通り膀胱へ運ばれ貯められます。腎盂、尿管、膀胱の表面は同じ移行上皮という粘膜で覆われていますが、これらの粘膜細胞にがんができることがあります。痛みなどの症状を伴わない血尿が出た場合は膀胱がん、尿管がん、腎盂がんを疑い検査を行う必要性があります。その後血尿が止まると治ったと思い放置し、2回目、3回目でようやく検査に訪れる場合があります。その時には癌が進行してしまい膀胱がんの場合は内視鏡的な治療が不可能となることもあります。血尿があった場合はなるべく早く専門医を受診してください。
腎盂・尿管がんは尿が腎臓で生成された後の通り道である腎盂および尿管内に発生する悪性腫瘍で、組織は膀胱がんと同じ尿路上皮がんが主となります。腎盂・尿管がんの患者さんには喫煙歴のある方が多く、喫煙歴のない方が発症することは少ないといわれています。腎盂・尿管がんで最も多い症状は、肉眼でもわかる血尿です。尿管が血液でつまった場合や、がんが周囲に広がった場合などには、腰や背中、わき腹の痛みが起こることもあります。これらの痛みは尿管結石と似ており、強い痛みが起こったり消えたりします。排尿痛や頻尿が起こることもあります。
腎臓にできるがんのうち、腎実質の細胞ががん化して悪性腫瘍になったもので、「腎細胞がん」と呼ばれます。また、一般的に「腎がん」とは腎細胞がんのことをいいます。同じ腎臓にできたがんでも、腎盂にある細胞ががん化したものは「腎盂がん」と呼ばれ、腎細胞がんと腎盂がんでは、がんの性質や治療法が異なるため区別されます。腎細胞がんが大きくなると、血尿が出たり、背中・腰の痛み、腹部のしこり、足のむくみ、食欲不振、吐き気や便秘、おなかの痛みなどが生じたりすることもあります。
気になる症状がある場合には、早めに受診することが大切です。腎細胞がんには、特徴的な症状がないため、小さいうちに発見される腎細胞がんは、他の病気のための検診や精密検査などで、偶然に発見されるものがほとんどです。肺や脳、骨に転移したがんが先に見つかり、結果として腎細胞がんが見つかることも少なくありません。
精巣がんは精巣にできる悪性腫瘍です。10万人当たりの発生率はおよそ1人で決して多くはなく男性の全腫瘍の1%程度です。20〜30歳代の男性においては最も多い悪性腫瘍といわれ、若年者に多いことが特徴です。停留精巣の方は、一般の方の3~14倍の頻度で、精巣がんになりやすいとされています。初期症状は、がんができた側の陰嚢(玉袋)の腫れや睾丸のしこりです。痛みは伴いません。なかなか自分で陰嚢(玉袋)を定期的に触る習慣がないこともあり、初期の小さい段階で発見することは難しいです。
初期の段階では、パートナーが自分の陰嚢の異常に気付いてくれる場合もあります。また、陰嚢内の異常に気付いても、恥ずかしくて誰にも言い出せず受診が遅れるというケースもあります。精巣がんは進行のスピードが速く、一気に全身のリンパ節や臓器に転移することもあるため、異常に気付いた場合は、早めに受診していください。